研究開発

3D音響

人間は「音」で気配を感じることができる

私たちが生活する空間には、様々な音が存在しています。例えば歩いているとき、後ろから自動車が走ってくる気配を感じることができるのは、我々の耳がさまざまな方向からやってくる音を常に分析してくれているおかげです。ではなぜ背後から自動車が来るとわかったのでしょうか?それは人間が「音の来る方向」を識別できるからです。後方からだけでなく、左右、斜め上、真下・・・我々は常に音を立体的なものとして感じています。

この仕組みを解き明かし、「良い音」の追求に生かそうというのが3D音響の研究です。

なぜ「良い音」と「3D音響」がつながるのか

では、なぜ3D音響を研究すると「良い音」の追求につながるのでしょうか。我々は常に音を立体的なものとして感じているため、「どのような音が届いているか」とともに「どこからその音がやってきているか」も「良い音」を決める重要な要素となります。ではどこから音がやってくると良い音になるのでしょうか?それは聞いている音楽の種類やそれを聞いている状況によって異なります。例えばコンサートホールでクラシック音楽を聞いているときと、野外の会場でジャズを聴いているとき。どちらも素晴らしい音楽体験が得られる「良い音」に触れることができる場ですが、それぞれの場で耳に届いている音の特性は大きく異なります。

コンサートホールではホールに広がる楽器の音に包まれることで心地よいと感じているでしょうし、野外のジャズコンサートでは正面のステージから直接やってくる生々しい切れの良い音を心地よく感じているはずです。つまり「良い音」の追求には、音楽と音場との最適な組み合わせの探求が欠かせない要素となるのです。

没入感に影響を与える3D音響

我々は常に音を立体的なものとして感じています。このために例えば映画館で映画を見ているとき、街の中の喧騒や森を流れる小川のせせらぎといった画面には写っていないものから到来する音に包まれることで、目の前の映像の世界に引き込まれるといった感覚を覚えたことはないでしょうか。この感覚を「没入感」と呼んでいます。没入感が高ければ我々はそのコンテンツの世界をさらに楽しむことができます。映画館やホームシアターで楽しむことができるサラウンドは、前後左右の音が空間の広がりを感じさせ、高い没入感を生み出すことができる技術です。

3D音響でさらに良い音へ

現在一般的な映画館で聞くことのできるサラウンドは前後左右から音を再生することで高い臨場感や没入感を生み出すものです。これに加えて特殊なシアターや一部のホームシアターでは、上下の音も使った立体的な音の再生が可能です。人間は常に音を立体的なものとして感じているため、上下方向も加えた3D音響はより高い没入感を生み出します。

ヤマハでは独自のDSP処理によって上下方向の広がりも感じることができる技術シネマ DSP 3Dを搭載したAVアンプをご紹介しています。また、このシネマDSP〈3Dモード〉を通常の7.1chまたは5.1chスピーカー構成で実現するVPS(バーチャル・プレゼンス・スピーカー)機能によって、上方にプレゼンススピーカーを設置することなく上下方向への広がりを感じることも可能になっています。このように、さまざまな環境で3D音響の世界を楽しんでいただく技術を開発することも我々に課せられたミッションの一部です。


センタースピーカーおよび左右のサラウンドスピーカー、計3台のスピーカーを駆使し、仮想的に左右のフロントプレゼンススピーカーを創出

3次元音場可聴化システム

またコンサートホールや劇場の音響設計コンサルティングでは、写真に示すような3次元音場可聴化システムによって室内の3D音響を再現し、設計段階での音の評価やさまざまな音空間の比較などに活用しています。

こうした研究開発を通じて音楽と音場との幸せな組み合わせを探求することにより、我々は日々「良い音」の追及を続けています。

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