研究開発

曲げられる超薄型スピーカー、TLF スピーカー

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左側のポスター状のものが『TLFスピーカー』です。表面から音が流れます。

(クリックで拡大します) 左側のポスター状のものが『TLFスピーカー』です。表面から音が流れます。

皆さんの身の回りにあるスピーカーはどんな形をしていますか?箱状?長細い?それともTVやディスプレイの側面に埋まっていますか?どちらにせよ、スピーカーはある程度の厚さと重さと硬さを持っているのが一般的です。しかしこの『TLFスピーカー』は、それら従来のスピーカーの常識とはまったく正反対の性質を持っています。 『TLFスピーカー』は、TLF=Thin・Light・Flexibleという名前が示すとおり、薄くて軽くて曲げられるという特性を備えた静電型のスピーカーです。静電型スピーカーとは、静電の力で薄い振動版を震わせて音を出す仕組みで、皆さんがよく目にするコーン型スピーカーに比べ、音の向かう方向が一定でかつ遠くまで届き、しかも紙のように薄いという特徴を持っています。静電型である『TLFスピーカー』はスピーカーに見えない外見を持ち、今までスピーカーが使われることの無かったような場所や用途での利用が見込まれています。

基本技術

平面波により、まっすぐ遠くまで音を届ける

一般的なコーン型スピーカーは、音の出る面より前方の扇形の空間に音を届ける作りになっています。スピーカーの真正面で無くても音が聞こえる反面、音のエネルギーが拡散してしまい遠くまで音を届けることは苦手としていました。これはコーン型スピーカーの出す音が球面波という性質を持っているからで、音がスピーカーを中心としてあらゆる方向に拡散してしまうため、またその音がお互い反射して打ち消しあうなどするため、遠くでは音が聞こえなくなってしまうのです。 一方『TLFスピーカー』は、音を届ける空間こそスピーカーの真正面のみですが、その力を効率よく遠くまで届けることができます。これは『TLFスピーカー』の出す音が平面波と呼ばれる性質をもっているからで、拡散せずに直進するその音はまっすぐ遠くまで届くのです。

一般的なスピーカーからは音が広がり、あまり遠くまでは届きませんTLFスピーカーからは、音が直進し、遠くまで届きます

隣のスピーカーと音が混ざりにくい

普段ステレオのスピーカーで音楽を聴いているとき、1組のスピーカーからはそれぞれ左右違った音が流れています。このとき音を聞いている私たちがどちらのスピーカーからどの音が流れているということを明確に聞き取れないのは、左右の音が混ざり合ってしまっているからです。ではこの左右のスピーカーで別々のスピーチを流したらどうなるでしょうか?各々で流れている内容が混ざり合ってしまい、とても不明瞭なスピーチになってしまうでしょう。これはコーン型スピーカから出る音が球面波であるために、隣のスピーカーと音が混ざりやすいことに起因しています。 一方でTLFスピーカーの出す音は平面波ですから、平行にならべたスピーカー間の音は遠くまでいってもそれほど混ざり合うことがありません。そのため、複数のスピーカーが隣接していたとしても、そのスピーカーから流れる音を聞き分けることが可能です。逆にいえばスピーカーの正面以外では音がしないということになるため、騒音が気になるような場所にも用意に設置することが可能となりました。

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音が広がり混じり合いやすい

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音が直進するため音が混じりにくい

とにかく薄い!軽い!

『TLFスピーカー』は、いままで音を鳴らす際に必要だった重くて巨大な磁石を利用しなくても良い技術を採用しているため、紙のようにペラペラな構造を実現しました。そのために従来のコーン型をしたスピーカーに比べてとても薄く、軽いつくりになっています。もちろん性質も紙に近く、丸めたり、畳んだり、また表面に印刷したりすることも可能です。 実際には薄さが1.5mm、重さがA0サイズ(1平方メートル)で400gと、壁掛けや高所面への設置でも安心できる仕様となっております。

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ハウリングが発生しにくい

カラオケボックスやイベント・コンサート会場などで発生することのあるハウリング。ある特定の周波数の音がマイクに拾われる→スピーカーで流れる→またマイクがそれを拾う・・・というサイクルで発生するこの騒音は、マイクとスピーカーをセットで使う際には常についてまわる問題として認識されていました。このハウリングを防ぐために、音響の担当者はどんなに簡易的な設置であっても、会場に合わせたセッティングをする必要を求められていました。しかし『TLFスピーカー』はこのハウリングが発生し難い仕組みとなっているため、そうした手間を省くことができ、業界からも注目を集めています。設定によってはスピーカーにマイクを密着させてもハウリングを起こさないなど、驚きの結果が注目を集めています。

想定される利用シーン

* 印刷できるポスター型スピーカーとして * ワンオフイベント用簡易PA * 街頭広告・看板広告 * 一時的もしくは恒久的な標識として * ショッピングモールやデパートの広告設備として * 空港や駅での移動可能なスピーカー設備として * 企業や工場の産業施設として * 教育施設の教育向け設備として

導入事例

CEATEC2009において、『TLFスピーカー』をCEATEC10周年記念展示ブースのアナウンス再生用スピーカーとして採用していただき、15m×0.8mの大きさで展示を行いました。

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関連サイト・ニュースリリース

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最後に

TLFスピーカーは、古くから音響分野でヤマハと付き合いの深い、早稲田大学 山崎芳男教授(国際情報通信研究センター)のアイディアを基に改良を加えたものです。

関連技術一覧

TLFスピーカー 用語集

TLFスピーカー 用語集 Arrow_right_small

TLFスピーカーの用語を解説します。
・静電型スピーカー
・コーン型スピーカー
・平面波
・球面波
・ハウリング
・PAなど。

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